おばあちゃんの自然栽培野菜とフランスの日常


高松の商店街に毎週金曜日、野菜の直売所が立ちます。徳島の田舎から、おばあちゃん達が昔ながらの方法で育てた野菜や手作り食品を持って、はるばるやってきます。

山の自然薯

山で採れた自然薯が売られていると聞きつけて、自転車で閉店前にかけつけました。販売は9時頃から12時まで。

ここで素敵なおばあちゃんに出会いました。ずっとご自身の畑で農薬も化学肥料も使わずに、野菜を作ってきたことを話してくれました。外食はせず、家で毎日せっせと手作りして暮らしてきたそう。病気になったことも病院に行ったことがない。健康で、畑で一日中過ごすのが楽しいのだそう。驚いたのは、徳島から高松まで1時間半ほど、ご自身で車を運転して来ること。

元気の秘訣は、日光、運動、自然な食べ物で自炊と少食、楽しむ気持ちなのだと改めて納得。野草の会に参加して、日本各地に野草を探しに行く活動をしていたそうですが、コロナ以降、活動は中止しているそうでです。

自家製こんにゃく

おばあちゃんが手作りした、こんにゃくです。

「作る時に薬品を使ってないから、茹でなくてもそのまま食べられるんよ。」

フランス生活ではこんにゃくに飢えていたので、2袋買って大満足。

2020年3月、フランス全土が都市封鎖になり、自宅のある田舎から近郊の街メッスへ行くバスが2ヶ月間も運行停止になりました。徒歩圏内にお店が全くない上、車が無いので、封鎖直後は途方に暮れました。

その後何度か外出制限や外出禁止令が発令され、食料さえも買いに行けず、家にこもる日々が何ヶ月も続きました。普通でない生活が日常になっていった頃、日本の家から何度も救援物資を送ってもらいました。晩秋までは食料品の買い物を届けてくれた友人も、本格的な冬が訪れ、大雪と道路凍結のため、来れなくなってしまいました。凍結した森の小道は、運転に慣れていてもかなり危険なのです。

長く暗く厳しいフランス北部の冬は、おでんや鍋物など、日本の煮込み料理が特に恋しくなる季節。無いなら作るをモットーに、フランスで手に入る材料で、日本食を自分なりに作ってきました。がんもどきや油揚げ、さつま揚げは何とか作れるけど、こんにゃくはさすがに材料を調達できません。

日本からの食材が詰まった小包は、欧州での生活が長い私には宝箱。箱を開けると漂ってくる日本の空気感。大陸を超えて日本からはるばる届いた物を眺めてると、全てが愛おしい。懐かしいものに混じって、頼んでおいたこんにゃくが2袋も入っていました。パッケージに見とれてしまったほど、嬉しかったのです。一袋はおでんや煮物にして、大切にいただきました。

2個目は大事にし過ぎて長い間冷蔵庫に保管していました。時々眺めてはニヤニヤ、何を作ろうかなと思いつつ、勿体無くて使えないまま、日本に戻る準備に忙しくなり、冷蔵庫に置いたまま忘れてきてしまいました。

徳島の田舎のおばあちゃんの手作りこんにゃくは、生のままわさび醤油でいただくのが最高でした。

右端にある干し芋は、をたっぷりと浴びた太陽の匂いがほのかにします。素朴だけどサツマイモの旨味と甘味が凝縮されていました。

つくね芋

初めて「つくね芋」というものを知りました。「すりおろしたら、山芋みたいになるよ」、おばあちゃんが教えてくれました。

大辞泉で調べてみると、「ヤマノイモ科のつる性の多年草」とありました。秋が旬です。

早速今日のお昼にいただきました。自然薯より粘りがあって、玄米ご飯にぴったり。

フランスに長く住んでいるうちに、日本の粗食が大好きになりました。日本は何と言ってもごはんがおいしい。フランス生活で何年もフランスの料理を作っているうちに、玄米にごま塩、熱い味噌汁があれば素晴らしいご馳走なのだと感じるようになりました。原発事故の衝撃が、食生活を完全に変える大きなきっかけとなりました。

キッチンのシュークルート用の壺で4年以上熟成発酵した手作り味噌、ブルターニュ地方の昆布で取ったダシ、フランスの旬の野菜を使って、毎朝味噌汁を作流のが、いつの間にか日課になりました。フランスはキャベツの種類が多く、どれも味噌汁に合います。芽キャベツからは旨味たっぷりの良いダシが出ます。

フランスでも日本ても、玄米ご飯と味噌汁で一汁一菜の食事が気に入っています。日本の玄米は、南フランスのカマルグ産のものよりもっちり、ふっくら炊き上がります。

味噌汁も日本では、適当に作っても不思議とおいしい。自家採取の種で自然農で野菜や穀物を作ってくれる人たちのおかげです。大地と太陽にも感謝。

日本の保存食

8月下旬から11月初旬にかけて、フランスでは保存食の瓶詰めを手作りする季節。スーパでは夏の終わりになると、6個入りのガラスの保存食用の瓶が山積みされます。

トマトソース、ジャム、野菜の塩漬け。シュークルート、保存用のパン、オイルサーディン、ツナのオリーブオイル漬けなど、瓶詰めを作るのは楽しい。瓶に詰める瞬間は、心がときめきます。短くてキラキラしたフランスの夏を閉じ込めた瓶詰め達は、水墨画のように色のない田舎の厳しい冬の間、たくさんの元気や希望を与えてくれるような気がします。私自身、保存食を準備しながら、日に日に短くなり秋が深まってくる中、厳冬を乗り越える覚悟を決めていたように思います。

ここ5年ぐらいは日本の保存食作りに目覚め、毎年冬になると30キロ以上の玄米味噌を仕込んできました。白菜の漬物やぬか漬けも、日本から持ち帰った生ぬかで作りました、人参、キャベツ、黒大根がうちの定番でした。渡仏前は、自分がフランスで日本のf伝統食を作るとは想像もしていませんでした。

フランスの自然食品屋さんで売られている黒大根で、たくあんにも挑戦しました。しかし11月のロレーヌ地方は既に低温多湿。太陽光が乏しく、外に干しても全く乾燥せず、家の中でもうまくいかず断念。

梅干し用に、日本から梅を送ってもらったこともありましたが、輸送途中に傷んでしまいました。フランスにも梅の木があるそうです。田舎の家の近くに住む日本人の友人は、梅の代用になんとミラベルで梅干しもどきを仕込みました。ミラベルはロレーヌ地方の特産の、黄色く甘味の強いプルーン。数年たっても食べられる味にならず、10年寝かしたらやっと少し梅干しっぽくなって、ご飯に合うようになってのだそうです。

フランス中部のトゥールという街の近くに、無農薬のフランスのお米で麹を作っている日本人がいらっしゃいます。11月を過ぎると、玄米麹とフランス国産の大豆を注文して、数日がかりで仕込みました。うちのお味噌は、北国風。塩分は14%なので、食べられるようになるまで最低2年はかかります。田舎の家のキッチンの隅っこの階段のスペースには、毎年仕込んだ味噌が入ったシュークルート用の伝統的な壺がいくつも並んでいました。

日本滞在中の楽しみは、たくあんや梅干しを作ること。フランスで手に入らなかった食材での保存食作りは、考えただけでワクワクします。

上の写真のカブは、熊本の自然栽培農家で頼んだ野菜セットに入っていました。葉っぱごと3%ぐらいの塩に漬けて重石を乗せておいたら、翌日には塩と昆布の旨味が染み込んで、良い具合になっていました。

フランスにいる時に憧れていた梅酢。パリとは違って、フランスの地方の町では日本からの食材を手に入れるのは難しいで。自然食品屋さんには、フランスで作られた日本食がたくさん並んでいます。梅干しや八丁味噌、硬い豆腐、葛粉まで売られています。玄米米酢はありましたが、梅酢はなかなか手に入りません。

帰国後、無農薬の梅干しから出来た真っ赤な梅酢を見つけ、紅生姜に初挑戦。どんな出来上がりになるか楽しみです。

調味料

天然醸造や長期熟成の昔ながらの方法で作っているものを選んでいます。

フランスでは、大事に日本から持ち帰った調味料をちびちび大切に使っていました。もったいなくて、ほんの一滴のお醤油も捨てることなど出来なくなりました。

日本酒やみりんも宝物でした。日本では一升瓶で購入しても、持ち帰る時に割れる心配もなく、ふんだんに使って料理を楽しめるのが嬉しいです。

瀬戸内海の島の風景

高松から船に乗って40分の男木島。坂の多いこの島は、島中に太陽がさんさんと降り注ぎ、キラキラ輝いています。

海が見渡せる、島に暮らす友人の菜園。なんて素敵なのでしょう。

花壇に蒔いた花の種が自然に増えて、一面花畑になったのだそう。

フランス、65歳以上の3回目接種、衛生パスの条件に〜2021年11月

フランスの友人たちからのメッセージによると、10月半ばから大分冷え込んできた様子。 ヴォージュの山では11月初旬に初雪が降りました。

11月9日の大統領のテレビ演説で、65歳以上の3回目のワクチン接種が「衛生パス」の条件になったと発表がありました。

2回目接種から6ヶ月を過ぎた65歳以上の人は、5週間以内の3回目接種が義務。受けなければ、「12月15日以降「衛生パス」は無効となります。

パス無しでは、レストランやカフェ、文化・娯楽施設など、ほとんどの場所に行く自由が奪われます。食料品店、小さな商店、薬局以外はどこにも行けなくなります。65歳以上の人々が自由に動くためには、3回目が必須となってしまいました。衛生パスに関して、賛同者が多数派のフランス。今回の決定について人々はどう考えているのでしょうか。

「私たちにはもう自由はありません。政府は強要し、私達は逃れることはできません」、ある65歳を超える婦人は、テレビのインタビューにこう答えていました。こういった意見は少数派なのでしょう。

大統領演説の直後から1時間の間に、Doctolibというオンライン医療予約サイトに10万件の予約が殺到したと報道されています。 接種キャンペーン開始以来の記録的数字とのことです。

Doctolibは、インターネットで医者や病院を検索、予約のできるサイト。電話予約しなくて済むので便利です。