フランス全土封鎖 外出制限再び


秋にはこんな日が来ると覚悟していましたが、今回も待った無しの翌日からの封鎖に驚きました。

ロレーヌ地方は例年にない好天が続いています。

10月28日午後8時、テレビでマクロン大統領が演説をし、フランス全土と海外県マルティニックを一斉に封鎖すると発表しました。

今回の外出制限措置の要点をまとめました。

今回の措置は、経済を止めずに医療崩壊を防ぐ方針。

閉鎖される業種は飲食店、必要不可欠ではない商店、スポーツ施設など。飲食店はテイクアウトのみ営業が続けられます。

閉鎖されない業種の場合はテレワークが不可能な人のみ、許可証を持って仕事に出かけることができます。

封鎖開始後、フランス国鉄は70%の列車をキャンセルしました。他の地方への移動は禁止なので、長距離バスも全て動いていません。

フランスの晩秋から冬はストの季節でもあります。パリでは地下鉄のストが始まりました。

10月29日までは、マスク着用義務は11歳以上でした。

2020年10月28日 マクロン大統領 テレビ演説

内容を一部訳しました。

ー現在の感染症の状況はどうなっているのかー

現在ウイルスは、最も悲観的な予想を上回っでフランス中で流行しています。2週間足らずで感染者は2倍に増加します。昨日は新型コロナ感染により527人が亡くなりました。

第一波と違うのは、現在フランス全域が警戒地区になっているということです。
集中治療室の患者は3,000人近くに達し、国の限界の半数を超えました。春と同様、多くの病院で心臓と癌の手術が中止されています

政府は皆様が反論を唱えたくなるような難しい決定しましたが、それは必要不可欠な措置です。

夏以来、私達の戦略は明確で、「ウイルスと共に生きる」ことでした。検査、警報、防御により感染を抑制することに重点を置いてきました。社会的距離を保ち、最も弱い人たちの保護、感染抑制のための対策、それが私達が8月から実行して来たことです。

その戦略が全て上手くいったかといえば、そうではありません。常に改善点があるのは、2週間前に申した通りです、私達は出来ることに精一杯取り組んできました。フランス国内の感染状況の明確な情報収集と情報提供をしてきました。私達の戦略は、ヨーロッパ全体に向けたものでもありました。初期の時点でもっと早く検査を実行すべきでした。数週間以来フランスでは、ヨーロッパで一番多くのの検査を実施しています。私達は、家族間、友人間、最も感染リスクのある場所で、一団となって社会的距離をもっと十分に取るべきでした。

ヨーロッパ近隣諸国と同様、冬が近づき気温の低下と共に。ウイルスが急襲し我々を飲み込もうとしています。その事実を自覚し、謙虚に受け止めることが大切です。

ヨーロッパ全ての国々が、ウイルスの急激な拡大に驚いています。スペイン、アイルランド、オランダでは、我が国より更に厳しい措置を早くから実施しています。現在蔓延中の第二波は、第一波より厳しい事態になるという見解で、欧州諸国は一致しています。

この段階では私たちがどんなに手を尽くしても、11月中旬に集中治療室は9,000人の患者で埋まり、フランスの収容限界に達します。 最大の努力と追加の病床の用意をしますが、それだけでは充分ではありません。

もし現在容赦なく感染に急ブレーキをかけなければ、病院は早々に満杯になり、病院間の移送も不可能になってしまいます。どこもウイルスで一杯なのです。

このままでは医師達は、感染症患者か交通事故患者か、どちらの命を救うか選択することになります。2人の感染者のうち、どちらかを見捨てなければならなくなってしまいます。 私達の命の価値を天秤にかけ、患者を選別する行為はフランスでは受け入れられないことです。

この状況下での私の責任は、論争、決断の困難さを物ともせず、フランス国民全員を守ることであり、今夜、皆様の前でその責任を引き受けます。

ー私達の目標とは。ー

・まず第一に、一番最初に新型コロナの被害者となる、高齢者、病弱な人達、糖尿病患者、肥満症、高血圧、慢性病を抱える人達を守ることです。死亡者の85%は70歳以上です。

第二に、一番小さな子供達を守ることです。高齢者が被害を受けやすいののと同様、乳幼児にとっても危険性が高いのです。新型コロナは、全ての年齢の体調不良の人達に被害を与えます。現在、集中治療室の患者の35%が65歳以下です。 私たちは現在、嗅覚や味覚の障害、呼吸困難などの後遺症が長期に及ぶのか確認できていません。たとえ20歳の若者であっても、このウイルスの害を受けないとは言い切れないのです。

・第三の目的は、全ての医療従事者を守ることです。
春以来、町中、病院、社会医療機構の医療従事者達は多くの仕事に追われてきました。その上夏の間は、春の仕事の遅れを取り戻すために2倍働かなくてはなりませんでした。そして現在彼らは、救急医療の急増に直面しています。私たちは医療従事者のために、もっと慎重になるべきです。さもなければ彼らの負担は増えるばかりです。

・更なる問題は、貧しい人たちを守ることです。密集した住居に暮らし不安定な仕事に就いている人達が衛生対策下で働き、最も多くウイルスに感染しています。

・最後の問題は、経済を守ることです。

私は、保健対策とと経済対策が相反するとは思いません。ウイルス蔓延、衛生状態悪化の下では、経済は発展しません。経済を保たなければ、保健制度の存続が不可能になる。 常に両者のバランスが必要です。

人の命より大切なものはない、この原理をを忘れてはいけません。

ー目標達成のために、どのような対策が可能なのかー

何もせず、ウイルスの感染流行を放置するという考え方。いわゆる「集団免疫」は、50〜60%の国民が感染した時に得られるものです。 しかし集団免疫を得るためには、短期間に病院内で患者を選別をすることを意味します。仮に集団免疫措置を取った場合、今から数ヶ月の間に、少なくとも40万人の死亡者が出ることになります。フランスは決してそのような選択をしません。フランスは「集団免疫」という対策を適用しません。私たちはそのような価値観も関心もありません。

(中略・・・)

私は、明日金曜日から都市封鎖を実施すると決断しました。海外県1県を含むフランス全土が対象です。
春の封鎖での教訓を踏まえ、3つの変更を加えました。

主要なポイント① 学校は閉鎖しない。
       ② 仕事を続ける
       ③ 高齢者用施設、老人ホームへの訪問ができる。

詳細は翌日、政府の記者会見で発表します。

●春の封鎖と同じ規則 
・家から出掛けられるのは、以下の場合だけです。
 ① 仕事
 ② 医者との予約
 ③ 助けが必要な近親者のため
 ④ 必要不可欠な買い物
 ⑤ 家の近くの散歩

外出には証明書の携帯が再び必要となります。
・春と同様、外での私的集会、公的集会は禁止。
・住んでいる地方から別の地方への移動は禁止。
・Toussant(10月19日から11月1日までの、カトリックの祝日、万聖節)の休暇から自宅へ戻るための移動は認められます。

●必要不可欠と定義される商店、
人を受け入れる施設や事業所、レストランやバーは閉鎖。

経済的援助は、3月より強化されます。
行政的理由で閉鎖される小企業の売り上げ損失に対し、ひと月当たり1万ユーロまで負担。
仕事を続けられない給与取得者や個人事業主に対し、部分的失業手当を受けられるようにします。
今後数週間の家賃や経費を国の資金対策て補います。

(中略)

3月4月に比べ、我々は感染症について学び、前進しました。
【今回の措置の改善点】

第一に、子供達に持続的な学校教育を行ないます。子供達が学校制度との接触を失わないよう、学校は閉鎖しません。特に最も貧しい人たちの間で、多くの子供達に対するあまりに多くの被害が出ました。保育園、幼稚園、小中学校、高校は閉鎖しません。 大学と高等教育機関はオンライン授業がとなります。

第二に、春の措置との違い、活動を続けるという点を強調します。
仕事をする場合、テレワークを選択ではなく、一般化します。

(中略)

公共サービスは閉鎖されません
工場、農業従事者、建設業は、各自が感染防止の努力をして仕事を続けます

(レストランの)持ち帰り販売、各家庭への配達など、働き方の改革した企業が近所にあったら応援してください
政府は、小規模、中小企業、職人の仕事環境のデジタル化への着手を支えていきます。

フランス国内から欧州域内は閉鎖されません。
欧州域外の国境は閉鎖されます。

外国に滞在中のフランス人は帰国できます。ただし検査が義務となります。

いかなる渡航者もウイルスを保持するものはヨ、ーロッパ圏内に入国できなくなります。

最後に人としての悲劇を防ぐため、人生最期に孤立している人々、高齢者用施設、老人ホームなどに訪問することを認めます。

今回の新しい措置は皆の団結がなければ成功しませんし、各自の行動にかかっています。

最も脆弱で感染リスクの高い人たち、70歳以上の高齢者は、より一層の警戒をお願いします。 胸の張り裂けるような悲しみを伴いますが、家族や友達との集まりを減らしてください。家の中でも、人との距離を取ることを守ってください。近親者、子供達と一緒の場合も同様です。あなた達にとってとても大切なことです。

病院の看護師達はは大きな役割を果たしています。私達は医師を必要としています。

封鎖前のパリの交通渋滞、新記録

actu Paris アクチュ・パリのサイトより

封鎖発表の翌日の29日、パリ市内ととイルドフランス地方で360キロ以上の交通渋滞が起こりました。 午前10時頃から車は増え続け、午後2時前には渋滞の記録を更新。平日の同じ時間帯の平均の4倍以上の交通量でした。
360キロといえば、東京から名古屋や仙台までの距離。

その後4時半には552キロ、5時半には677キロにとなり、封鎖開始6時間前の午後6時には、706キロに達しました。

700キロというと、東京から岡山の手前まで。新宿から青森港まで715キロ、直線距離では山口県までが769メートルだそう。

この混雑は封鎖前の買い出し?それとも休暇中の人々が一斉に急いでパリへ戻ったため?はたまたパリから地方へ脱出する人達だったのでしょうか? その全てなのかもしれません。正確なことは分かりませんが、パリへ向かう幹線道路が一番混んでいたそうです。

Le Parisien ル・パリジャン紙のサイトより 

 ——-10月29日、外出制限開始前の渋滞状況
青 —– 平均
 並外れた渋滞
 異例の渋滞
 通常
 少ない

Plus de 700 km de bouchons en Ile-de-France à quelques heures du reconfinement)(⇦ル・パリジャン紙の記事)

フランスの過去の渋滞記録

・2017年12月22日のクリスマス休暇の始まりの376キロ
・2019年11月初旬 トゥサン(カトリックの祝日、諸聖人の日)525キロ
・2019年10月8日 625キロ。

【外出証明書】

●電子版
(特例外出証明書作成ページ)

●紙版証明書
(特例外出証明書ダウンロード)

【罰金】

●1回目の違反  135 ユーロ、期限内に支払いがない場合は375ユーロ。
●15 日以内の2回目の違反  200 ユーロ、期限内に支払いがない場合は450 ユーロ。
●30日以内の3度目の違反  3750ユーロと6ヶ月間の禁固刑。

日本円に換算すると最高45万円の罰金です・・・。 

【追記10月8日】

フランスの検査数は週200万件を超えました。それに伴い一昨日の感染者数は6万人を超え。昨日は86000人以上でした。明日にはロシアを抜き、世界4位になりそうな勢いです。

santé publiqueフランス衛生局のサイトより

11月6日までの過去1週間の検査数は2,197,285件。

coronavirus.appのサイトより

11月6日のデータ。 ↑

coronavirus.appのサイトより

↑今日発表された、10月7日のデータです。

1日の新規感染者が8万6千人を超えていてびっくりしました。

学生たちは店が閉鎖になれば家に集まり、室内や家庭内で感染が広がっているようです。私の暮らしている所でも、封鎖前のように集っている人たちもいます。パリでは6日金曜日から夜10時以降の飲食店の持ち帰りと宅配が禁止になりました。 このままでは封鎖の延長は避けられないかもしれません。

Covid-19 : interdiction des livraisons et ventes à emporter après 22h à Paris (dès vendredi) LA TRIBUNE ラ・トリビュンの記事

coronavirus.appのサイトより

↑世界の感染状況。

ロレーヌの晩秋

ロレーヌ地方は毎年11月に入ると、10月までの穏やかな陽射しが一変し荒れ模様の空となります。2回目の封鎖が始まって以来、毎日空は青く、この土地では珍しいほどの暖かい日々が続いています。輝く緑の丘が連なる広大な景色を見ていたら、人間はどんなことをしても自然にはかなわないのだと、ふと思いました。どんな状況にいても生きているだけで幸せ。今できることを続けるよう太陽が励ましてくれたような気がしました。